将棋のゲームソフトの著作権

「判例(最判平成14・4・25民集56巻4号808頁)は、ゲームソフトを映画の著作物と解釈している。この解釈は、ゲームソフトは映画の著作物であるから中古品の無許諾販売は許されないとの主張がなされた事件において、それが映画の著作物であることを前提として判決の論理を組み立てるために採用されたものである。

ゲームソフトの実質は、プログラムの著作物によって双方向的な操作を可能にした映像と音の著作物であり、例示外の著作物と見るべきものである。ゲームソフトそれ自体ではなく、ゲームソフトの映像や音については、これを影像や音の著作物と見た事例(最判平成13・2・13民集55巻1号87頁)もある。影像や音の著作物も、例示外の著作物である。」

将棋のパソコンソフトの「柿木将棋8」「激指定跡道場2」などが例示外の著作物になりうる。将棋の盤面や読み上げ、駒音にも著作物に該当する。

「映画の著作物であるためには、影像や音声が物に固定されていないことを意味する。そのことは、著作権法には明記されていないが、映画の効果に類似する効果を生じさせる方法で表現された創作物を映画の著作物とみなす規定(2条3項)が有形的固定を要件としているので、本来の映画の著作物も、これを要件としているものと考えられる。

テレビの生放送番組は、映像や音声の固定がないので、映画の著作物ではないことになる。しかし、生放送番組にも、通常は表現上の思想感情が盛り込まれている。そのような番組は、例示外の著作物である。映像の著作物といってもよい。頻繁な場面転換のあるスポーツの実況放送などは、逐次的に成立する編集著作物の性質を有する。

NHK杯将棋トーナメント決勝(生放送)は例示外の著作物である。

固定とは、影像や音声が劇場用映画のように不動の順序で連なっている場合だけでなく、その選択肢が有限であるならば、視聴者において自由に順序を選択することができるようにして固定されている場合も含む、というのが最高裁判決(最判平成14・4・25民集56巻4号808頁)である。この解釈は、ゲームソフトを映画の著作物とみなすことにより、その複製物の中古品の販売を映画の著作物の複製物頒布権(26条)に基づいて禁止できるかどうか、ということが争われた事案において示された解釈である。(渋谷達紀「知的財産法講義Ⅱ第二版、有斐閣、44頁、2007年)

つづく

関連事項

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