太陽の塔

以前、Eメールの著作物性についてお話しました。インターネットでホームページの著作物を扱う場合の注意点をあげます。

富樫康明氏によると、「ホームページでの利用を目的に画像や写真を印刷物からスキャナーで読み取って、デジタル化することは「複製」になり、著作者の許諾を得ていなければ複製権の侵害になる。ホームページで利用するための複製は、私的利用のための複製には該当しない。

ファイルをサーバーにアップロードすることは、同一のファイルにもう一つのサーバー上に作ることになるので、これも複製権にあたる。したがって、他人の著作物が含まれたファイルをアップロードすることは、著作者の許諾を得ていなければ複製権の侵害にあたる。同時に、他人の著作物が含まれたファイルをアップロードして不特定の人がアクセスできる状態にしておくことは、公衆送信権に抵触する。」

無断で転載された場合、Eメールもこれと同じことが言えるため複製権の侵害になると言える。

「自分のホームページに他人の著作物を「引用」することは可能だ。ただし、引用の原則の「目的上、正当な範囲」を超える場合、複製権及び公衆送信権に抵触する」

引用の条件

1出所が明示されていること。

2他人の著作物を引用する必然性があること。

3かぎカッコをつけるなど、引用部分と自分の著作物が区別されていること。

4自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること、あくまでも自分の著作物が主体でなければならない。

さて、本日の問題。

大阪万博会場に設置された岡本太郎作の「太陽の塔」は、「建築の著作物と彫刻美術の著作物との二面性を有すると解釈できるものについては、美術著作物として、著作権法46条4号の適用の可能性があるでしょう。」(加戸守行「著作権法逐条講義・3訂新版」著作権情報センター、288頁)。

なお、独立行政法人 日本万国博覧会記念機構は、美術の著作物と認めており一般のビルや建物などとは明確に区別されています。

「万博記念公園では、太陽の塔及び万博公園施設の外観や内部様子、その他公園内風景の写真及び映像素材について、当機構の許可なく撮影、または第三者が撮影した素材を使用し、当機構の業務運営と無関係の事業の広告宣伝に活用することや営利を目的に頒布することを禁止しております。もし、これらの行為を行った場合は、著作権法等の侵害にあたり、罰則の対象となります。」

独立行政法人 日本万国博覧会記念機構のHPより引用)

参考文献

富樫康明「1億人の著作権」日本地域社会研究所、2005年、84頁、129頁。

ときわ祭

近所にある常磐大学の文化祭に行く。森永卓郎氏の講演を拝聴する。題名は「生活を豊かにする経済学」。

私も経済学部卒業ですが単位が絡んでないため緊張感がなかったように見えました。

大学も歴史ができ森永氏のような有名人を輩出するのでしょう。原住民に好かれるように大勢の人がいました。およそ80名位であろうか。

帰り、コスプレのセーラー服を着た常盤大生の売店で焼きうどんを食べる。なぜか150円で2パックでした。

楽しいひとときでした。

公開された電子新聞の転載

先日、インターネットで公開されている時事問題の記事をインターネットで公衆送信していいかどうかについてお話しました。

朝日新聞の電子版によると、

 「asahi.comの各種サービスをその利用規約等で定める範囲内でご利用いただく場合や、著作権者の許諾なく著作物を利用することが法的に認められる場合を除き、無断で複製、公衆送信、翻案、配布等の利用をすることはできません。また、利用が認められる場合でも、著作者の意に反した変更、削除はできません。記事を要約して利用することも、原則として著作権者の許諾が必要です。」

「朝日新聞社や朝日新聞出版の著作物(asahi.com等のウェブサイトや朝日新聞、雑誌、書籍等の出版物に掲載された記事・写真・イラスト・図版など)の転載・利用をご希望の方は、書面でお申し込みください。
 許諾させていただく場合でも、原則として使用料を申し受けております。」



公衆送信はできないと書かれています。配布されている新聞では引用はできますが、社団法人 日本新聞協会の考えによると、転載は出来ないことになっています。

著作権法39条によるとインターネットでの時事問題の公衆送信についてはできるのかはっきりしませんが、朝日新聞の著作権の規約を読む限りでは転載できないと解釈していいようです。

参考文献

「朝日新聞」著作権について

「朝日新聞」記事や写真の転載・ご利用の方へ

ネットワーク上の著作権に関する新聞協会見解

眞子さまの写真、ネットに無断掲載=大学の友人らとの4枚

「秋篠宮ご夫妻の長女で国際基督教大2年の眞子さま(20)のプライベート写真4枚が、インターネット上に無断で掲載されていたことが24日、分かった。大学の友人らとの写真で、関係者が掲載したとみられる。
 同大の広報担当者は「ご本人の人格を著しく傷つけたり、悪意を持って投稿した写真ではないが、肖像権の問題を含め、今後どう対応するか検討したい」としている。」

時事通信 10月25日(火)2時34分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111025-00000013-jij-soc

なお、インターネット上に公開されている時事問題の新聞記事は引用できますが、転載は出来ないという答えでした。ある掲示板に転載がされていますが(某有名サイトの掲示板)どうなのかわかりません。

間違っている場合がありますので信頼性は保証できません。

肖像権には積極的肖像権と消極的肖像権に分ける人もいますが私は肖像権は一つだけという考えです。我が国には肖像権法はありませんが判例上認められています。

有名人にはパブリシティ権も判例上認められた権利です。将棋の女流棋士の矢内理絵子女流四段にも肖像権及びパブリシティ権が認められ、毎週日曜日のNHK将棋トーナメントでは聞き手をされておられますが実演家という著作隣接権をもっています。

同時に再放送権・有線放送権・送信可能化権などの権利を持ちます。NHKオンデマンド放送は送信可能化権という権利です。

参考文献

弁護士 石井邦尚「インターネット上の発言と法的責任 肖像権」
http://j-net21.smrj.go.jp/well/law/column/post_151.html

社団法人 著作権情報センター(CRIC)。

動画投稿サイト 積極的に利用

動画投稿サイト、特にYou Tubeにアップされているものについては、当初から問題視されると同時に削除の要請がされることになりました。

ところが積極的に利用するものが出てきました。

福井健策氏によると、「全世界からアクセスが多く宣伝効果が高いことで、国際的なレコード・メジャーが所属アーテイストのプロモーションビデオ(PV)を流すなど、多くの団体がユーチューブ内に専用チャンネルを立ち上げました。」

「他方、レコード会社がPVを流す場合、レコード会社は露出が増えて得をするだけで、レコードを売るという彼らのビジネスモデルは侵食されません。宣伝が進むのだから、むしろ促進されています。」

例えば、以下のようなのが挙げられます

http://www.youtube.com/watch?v=bASSi2OJYbI&feature=relmfu
(avex Channel)エイベックス・マーケティング株式会社

http://www.youtube.com/watch?v=8WMos1_ZrJ4&feature=relmfu
(avex Channel)エイベックス・マーケティング株式会社

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=z3Ir6Mui7J8
(avex Channelの専属カメラマンの映像)

http://www.youtube.com/watch?v=6OenMFm-I5M&feature=related
パレオはエメラルド (SKE48 Back To Channell)

http://www.youtube.com/SKE48#p/c/FEE6A5BC96E85718/11/bj3pcMTI-NA
パレオはエメラルド (SKE48 Official Channel!)
エイベックス・トラックス株式会社

音をはじめに固定したレコード制作者には著作隣接権があります。固定したものはCDでもレコードでも構いません。

レコード制作者とは、レコード会社に限らずCDなどを制作する音源になる「原盤」(マスターテープ)を、最初に作った人のことです。

実演家とは、俳優、舞踊家、演奏家、歌手、指揮者、演出家などのことで、要するに歌ったり踊ったりといった実演する人の権利です。

コンサート会場で、写真撮影はストロボはたかないでくださいとか動画投稿サイトにアップすることの禁止とか録音してはいけませんとか規制があります。

これらの注意事項は、コンサート会場と主催者と入場者との「契約」によるものです。著作権法30条では「私的使用目的のための複製」であれば、複製ができるとされています。

つまり、そのコンサートの音楽を録音・録画はできませんがフラッシュをたかない写真撮影のみ可能としたのです。違法アップロードが後を絶たないことから主催者側はこのようにしたのです。もちろん、ネットで公開すれば著作権侵害(公衆送信権侵害)に該当します。

以前書いたブログ

http://sironeko98.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-8a65.html

http://sironeko98.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/31youtubetubefi.html

http://sironeko98.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-8d2a.html

◇Eメールと著作権として追記

電子メールの著作権には、著作者に複製権、有線放送権などの権利のほかに著作者人格権があり、公表権、氏名表示権、同一性保持権という人格権があります。

公表権(著作権法18条1項)では、未公表の著作物を発表するかどうか、その著作物をいつ発表するかを決める権利があります。

また、勝手にWEBに掲載すれば、氏名表示権にも抵触します。

冨樫康明氏によると、「ホームページに掲載し公表することは、著作権侵害(複製権・公衆送信権の侵害)、著作者人格権の侵害(公表権侵害、氏名表示権侵害になり得る可能性もあります)、プライバシーの侵害に該当します。

また、これは引用といっても正当な引用とはいえないでしょう。」

参考文献

林 幸助「ちょっと待って、そのコピペ!著作権侵害の罪と罰」実業之日本社、2008年、64頁、182頁。

福井健策「著作権の世紀」集英社新書、2010年、51頁。

冨樫康明「1億人の著作権」日本地域社会研究所、2005年、164頁。

中山信行「著作権法」有斐閣、2007年、221頁、375頁、379頁。

電子メール公開の違法性 http://www5f.biglobe.ne.jp/~a-tubaki/page6.htm

電子メールの著作物性 http://blogs.yahoo.co.jp/gut_expert/34897306.html

弁護士の回答は時事問題(39条)ではありません

以前に、Eメールで送られてきたメールマガジンのことを書きましたが、弁護士の回答のようなものは時事問題に関する転載(39条)には入りません。

しかし、参議院議員の丸山和也弁護士のメールマガジンは一般に広く公開されているメールですので引用もすることができるし、公開されているため公衆送信をすることもできます(CRIC)。

岡田晃朝弁護士によると、「メールマガジンは、いろいろな物がありますが、商品購入のためのものや『引用・転載禁止と書いていない』時事の論説は、著作物としては保護されないので、引用・転載が可能です。」

岡田晃朝弁護士の回答で正しいのですが、丸山和也弁護士のような法律の説明は時事問題にはならず、引用もできるし公開されているメールのため公衆送信も出来ますということです。基本的なことを理解していませんでした。

私たちが普段使われている個人間でやりとりされるメールは転載・引用することはできません。

一方で、公開されていなくて不特定多数に配られたメールマガジンは引用だけできることになります。例えば、日本女子プロ将棋協会(LPSA)で配信されたメールマガジンが有名です。

大変申し訳ありませんでした。

東京大学の中山信弘名誉教授は「本条の対象は時事問題の論説であり、それはマスコミの主張であるが故に特別に転載を認めたものであ」ると主張されておられます。

ちなみに、時事問題に関する論説の転載等(39条)は政治・経済・社会上の時事問題に関する論説を言います。

Eメールについて考えてみる必要があると思います。

以前書いたブログ

http://sironeko98.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-7a0d.html

http://sironeko98.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-1820.html

参議院議員の丸山和也弁護士によると、「著作権を侵害する違法な動画をダウンロードしたら違法?

とあるドラマの録画を無断でインターネット上にアップロードしたものを、著作権を侵害した動画であると知りながら、ダウンロードしました。

□□ 弁護士の回答 □□

A 違法となります。ただし現在の法律上、刑罰はありません。

1.ダウンロードするだけでも違法?

以前は、たとえ著作権を侵害した音楽や動画であっても、私的利用目的でダウ ンロードすることは違法ではありませんでした。

しかし、2010年1月1日より施行された改正著作権法においては、「著作 権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合」(改正著作権法30条1項3号)は違法とされ、たとえ私的利用目的であっても、違法にアップロードされた動画を違法であることを知ってダウンロードすることは許されなくなりました。」

参考文献

丸山和也「【弁護士がやさしく教える!得する法律講座】第292号、2011/10/20号」

中山信弘「著作権法」有斐閣、2007年、280頁。

弁護士ドットコム http://www.bengo4.com/ 

社団法人 著作権情報センター(CRIC)

公開されているメールマガジンの著作物性

以前、Eメールを公衆送信してよいかについて述べました。

今回はEメールには2種類あり、1.メールマガジンが配信されるだけで公開されないもの。2.メールマガジンには「まぐまぐ」などで見られるように自分のパソコンで受信できるものと同時に公開されているものがあります。

飯沼総合法律事務所「デジタル著作権の知識とQ&A」法学書院、2008年、121頁によると、「メールとは、インターネットを介してやり取りされる手紙のことです。メールの内容が仕事に関する事項であっても、個人間の私的な事項であっても、メール作成者(送信元)の何らかの「思想・感情」を表現したものであれば、一般には言語著作物に当たるとされています。

したがって、メール作成者はそのメールについて、著作権、著作者人格権を有していることになります。」

「メールを転送する行為は、メールを複製して利用することに当たります。そして個人間のメールは公表されているものではありませんので、「引用」として自由利用が可能な場合にも当たりません。

したがって、原則として著作者であるメール作成者に、複製についての利用許諾を得る必要があります。」

私見では、あくまで私的に配信されたメールなので公衆送信も引用、無断転載もできないのだと思います。一般の人からのメールのみいえます。

東京大学名誉教授の中山信弘先生によると、「将来はインターネットに掲載される論説についても問題となろう。同じ意見として、斉藤博『著作権法(第3版)有斐閣、2007年』。」

時事問題に関する論説の転載等(39条)がインターネットで配信され、かつ公開されるEメールにまで及ぶとは考えられませんでした。まだ、この問題について書物で読んだことがありませんでした。

また、中山名誉教授は「新聞・雑誌に掲載して発行された政治・経済・社会上の時事問題に関する論説は利用禁止の表示がない限り、当該マスコミが社会に発信する主張であり、広く世に知らしめるべきであるという性質を有しているため、他の新聞・雑誌に転載し、放送・有線放送・自動公衆送信を行うことができるとされている(39条1項)」。

岡田晃朝弁護士によると、「メールマガジンは、いろいろな物がありますが、商品購入のためのものや「引用・転載禁止と書いていない」時事の論説は、著作物としては保護されないので、引用・転載が可能です。

次に問題となるのは「公表」ですが、メールマガジンが特定の人にくらられ(誤植で正しくは「配られている」)ている場合は、確かに公表されておらず、「引用・転載」禁止です。しかし不特定多数人に配られている場合、ホームページ上にも載っている場合は、公表されています。

よって、引用可能です。 」

追記

中山信行名誉教授によると、「公衆送信は『直接公衆』に受信できるものでなければならず、ポイント・ツー・ポイントの送信は含まれない。従って、公衆に当たらない特定人への電話やファックス、Eメールによる送信は公衆送信には該当しない。」

参考文献

飯沼総合法律事務所「デジタル著作権の知識とQ&A」法学書院、2008年、121頁。

中山信弘「著作権法」有斐閣、2007年、221頁、282頁。

弁護士ドットコム http://www.bengo4.com/

Twitterにおけるリツイートの問題

日本著作権では、公衆送信権や複製権の問題が出る。Twitterでは、特にフォロワーが多数いると、公衆送信権侵害になります。アメリカの著作権ではあえて規定に入れて問題にする必要はないと思われます。

公式リツイートはそのままリツイートすることになるため、引用にはならないと思います。

また、非公式リツイート(自分のコメントをつけてリツイートすること)に関しても引用条件を満たしていないと思われます。

現在、フェア・ユースを著作権法に定めるかどうかが議論されています。日本版フェア・ユース規定が規定されたとしても、Twitterにおけるリツイートについては著作権法では合法にはならないと考えられます。

参考文献

「コピライト」2011年10月号、14頁。

ストリーミングサービス

以前、私的ダウンロード(著作権法30条)について書きましたが解釈が誤っていました。大変申し訳ありません。

私も不思議になっていましたが、昨日配信された丸山和也弁護士のメールマガジンをはじめ弁護士・野口祐子氏の「デジタル時代の著作権」にも書かれていましたので公的機関に連絡して解決しました。

ユーチューブにテレビ画像を無断でアップすることが違法であるということは平成21年の改正著作権法で決まりました。

野口祐子氏によると、「オンラインのコンピュータが「情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度」では、著作物を複製しても著作権の侵害ではない、という例外規定を追加しました。」

根拠となる条文は、プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等 (第47条の3)です。

条文によると、「プログラムの所有者は,自ら電子計算機で利用するために必要と認められる限度でプログラムを複製,翻案することができる。 ただし,プログラムの所有権を失った場合には作成した複製物は保存できない。(著47条3項)」

平成21年改正では、「インターネット等を活用した著作物の利用の円滑化を図るための措置」が主に挙げられます。

著作権を侵害する違法な動画をダウンロードしたら違法になります。ただし刑事罰はありませんが民事の方で訴えられる可能性があります(民709条)。つまり、「違法ではあるが罰則はない」ことになります。

参照条文

第五款 著作権の制限
(私的使用のための複製)

第三十条

三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合

丸山和也弁護士によると、「また、このような違法にアップロードされた動画をYoutubeやニコニコ動画などのストリーミングサービスで視聴することもできます。

以上のようなダウンロードに対して、ストリーミング視聴は現在の法律では禁止されていません。

よって、Youtubeやニコニコ動画などのストリーミングサービスで視聴することは違法ではありません。」

オフラインになったあと、PCに残ったキャッシュを視聴する行為は違法であり、オンラインで情報処理しているときのみ合法です。

参照条文

(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)

第四十七条の三 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(これにより創作した二次的著作物の複製を含む。)をすることができる。ただし、当該利用に係る複製物の使用につき、第百十三条第二項の規定が適用される場合は、この限りでない。

2 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。

(昭六〇法六二・追加、平二一法五三・旧第四十七条の二繰下)

混乱を招いてしまい、大変申し訳ありませんでした。

参考文献

野口祐子「デジタル時代の著作権」2010年、ちくま新書、69‐71頁。

丸山和也「【弁護士がやさしく教える!得する法律講座】第292号、2011/10/20号」

著作物の改変1

昨日くらいからめっきり寒さが強まり家のカブトムシが死んでしまいましたが、まだコクワガタが生きています。

水戸市では震災復興支援事業「水戸市プレミアム商品券」が発行されたが、使ってみて使いづらい。大型店・一般店共通の券と一般店だけの店でしか使えない券がある。

震災の影響を受けた小売店を援助するために作られたもので、大型店のほうが安いのにもかかわらず小売店でしか使えない券を使うことができないためです。

久しぶりにうなぎを食べる。5年ぶりかなあ。父が生きていたころに行ったきりでリニューアルされていました。やはり人を使っているところはすごいですね。

さて、本日の著作権の問題。

森進一氏が持ち歌としている「おふくろさん」という曲で森氏が台詞を付け加えたことが問題になった。

セリフ正確にはバースといいますが、作詞家の川内康範氏には事前にこの改作については全く知らされておらず、自分の著作物を集中管理しているJASRACに対し「歌詞は、著作者である自分の意に反する改変にあたる」と通知した。従来のバースのないオリジナル版「おふくろさん」なら歌うことはできます。

川内氏は絶対に許すことはせず「おふくろさん」を2度と歌えなくしてしまいます。

平成20年に川内氏のご遺族から和解が成立し、改めて森氏は「おふくろさん」を歌うことができるようになりました。

これが森進一「おふくろさん」騒動です。

福井健策先生によると、「既存の歌の歌詞やメロデイ(楽曲)は著作物です。よって、著作権者の許可なく、公に歌ったり(演奏)、放送したり(公衆送信)、CDにレコーデイング(複製)はできないことになります。」

権利者の許可が必要です。この権利者とは作曲家の川内氏ではなく、多くが「音楽出版社」に著作権譲渡されています。さらに大きな日本音楽著作権協会(JASRAC)に信託譲渡されます。

JASRACのような集中管理団体に音楽の著作物を集めて、プロの歌詞・楽曲のほとんどは占めていることになります。

ところで、著作物の改変は同一性保持権の侵害に当たります。「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」(著20条1項)。

参考文献

福井健策「著作権の世紀」集英社新書、2010年、76‐78頁。

半田正夫「著作権の窓から」2009年、131-133頁。