着うた違法配信

着うたの違法配信をした男性に約1億7千万円の損害賠償を東京地裁は命じた。

朝日新聞によると、『携帯電話に音楽データを配信する「着うた」を無断で不特定多数の人にダウンロードさせたとして、日本音楽著作権協会(東京)がサイトの管理者だった男性に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(大鷹一郎裁判長)は29日、約1億7千万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。』

『訴状で協会側は、男性が「第(3)世界」というサイトで2006年3月に配信を開始し、08年9月までに少なくとも約1万8千件の「着うた」ファイルをダウンロードできる状態にしていたと指摘。「協会が管理する楽曲の著作権を侵害すると知りながら、広告収益を増やすために行為を続けた」と主張していた。』

出典

朝日新聞

http://www.asahi.com/national/update/1129/TKY201111290701.html


著作権侵害となった争点は、公衆送信権(23条1)侵害に該当するかである。

著作権法は、公衆送信権について、著作者が自己の著作物の公衆送信を独占できると定めているので損害賠償額についてもどこまで裁判所が認めるかが争点である。

自動公衆送信をするには、通常は、送信したい情報を各人のパソコンからサーバーコンピューターに送信して、これをサーバーコンピューターの公衆送信用媒体に複製しておく必要がある。


参考文献

渋谷・講義126-127頁。

「美女はつらいの」 翻案権および同一性保持権侵害?

2011年10月3日、東京地裁は仮処分の申し立てを却下する決定をしました。

鈴木由美子さんの「カンナさん大成功です!」という漫画が韓国のミュージカル化した映画が松竹で公演されることを著作権侵害として講談社側が上演差止を求めていた。

この著作権侵害は複雑で、経緯をまとめてみないとよく理解できない。

著作権侵害-ミュージカル「美女はつらいの」

http://ameblo.jp/muromoto-legal-affairs/theme-10043288880.html

引用します。「

① 漫画 「カンナさん大成功です!」 を鈴木由美子さんが制作

               

② 講談社が 「カンナさん大成功です!」 の著作権を管理

               

③ 韓国の会社Aに映画化の権利を講談社が許諾

               

④ 映画をAと共同制作した韓国の会社Bが 「美女はつらいの」 をミュージカルとして企画

               

⑤ Bが松竹に 「美女はつらいの」 の日本公演を許諾

               

⑥ 松竹に許諾を得るよう講談社が交渉を続けるが合意に至らず

               

⑦ 著作者の鈴木由美子さんが差し止めを申し立てる

争点は著作者財産権の一つである「翻案権」 (著作権法27条) 及び著作者人格権の一つである 「同一性保持権」 (著作権法20条1項)の侵害ではないか。

裁判長は「(鈴木さんの)漫画とミュージカルの基になった映画は、多くの点で舞台や人物の設定が異なり、著作権侵害にはあたらない」と判断した。

作品は予定通り大阪松竹座で上演される。

判決を精査すると、鈴木さんの許諾を得て韓国で漫画を基にした映画「美女はつらいよ」が韓国国内で公開された。

上映権を持つ鈴木さんの許諾は必要なかったことになる。裁判官が似ていると思えば似ているし、似ていないと判断すれば似ていないという著作権の判決では典型的な例といえる。

上映権とは、著作者がその著作物の上演を独占させる権利である。著作物に多少の修正増減を加えた上演であり、創作性があれば二次的著作物になり得ます。

上映権を持つ原著作者(原告 講談社)の二次的著作物(美女はつらいの)を認めなかったというのが正しいのかもしれない。

この判決は難しい、おまけに韓国の著作物が絡んでいます。原告には満足のいく判決になるように控訴をしてほしい。

“韓流”ミュージカル 原作漫画家が上演差し止めを請求 

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110915/ent11091522370015-n1.htm

“韓流”ミュージカル上演差し止め認めず 

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/10/03/kiji/K20111003001751360.html

「KARA」ギュリ主演ミュージカル、予定通り公演

http://news.nifty.com/cs/entame/showbizwdetail/wowkorea-20111004-89173/1.htm

韓国ミュージカル『美女はつらいの』 講談社が国内公演差し止め請求

http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2011/09/16_02.php

http://www.shochiku.co.jp/docs/111003.pdf

http://www.shochiku.co.jp/bijo/

参考文献

渋谷・講義124頁。

「白い恋人」が「面白い恋人」を提訴 商標権侵害訴え

「北海道を代表する土産菓子として知られる「白い恋人」を製造販売する石屋製菓(札幌市)は28日、吉本興業(大阪市)などが「面白い恋人」の名前で売り出した菓子が商標権を侵害しているなどとして、商標法と不正競争防止法に基づき販売の差し止めを求める訴えを札幌地裁に起こした。」

http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY201111280597.html

出典

asahi.com 2011年11月29日

「「白い恋人」は1976年に製造販売を始めた。2010年度の売上高は約72億円で、石屋製菓の主力商品だ。島田社長や弁護士らは「『面白い恋人』は、『白い恋人』のブランド力にただ乗りし、不当な利益を追求しようとしている。商道徳、コンプライアンス(法令順守)の欠落は厳しく断罪されるべきだ」と指摘。損害賠償請求も検討しているという。」

「白い恋人」は食べたことがあり有名です。厳密に言えば、商標権侵害と不正競争防止法違反に該当する。判決で裁判官がどのように解釈するのか楽しみです。

「面白い恋人」は大阪など、関西の空港やJR主要駅で販売されているという。どのくらい損害を受けているのかの判断も興味があります。

将棋の駒の駒尻を変更し、遺族の許諾を得ないで作成した駒と同じです。不正競争防止法違反の疑いがある。本当に将棋の駒の裁判が始まりません。

なお、「白い恋人」の商標権侵害の記事は「読売新聞」にも掲載されていました。

集英社、新書「上手な逝き方」を絶版・回収へ

集英社では多村氏の著作権、著作者人格権を侵害しているとして、集英社は新書の「上手な逝き方」を絶版にし、書店在庫分を回収することにした。

発言の一部を承諾なく大村さんの発言として編集、出版したのが直接の原因らしい。集英社側が自ら判断をした。

出典

 YOMIURI ONLINE(読売新聞)2011年11月28日

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111128-OYT1T00652.htm


●書籍の非破壊複製がまずい理由

http://slashdot.jp/journal/542652/

引用

  • レンタルショップが貸与権使用料のような形でレコード協会にみかじめ金を払う
  • 主要な録音専用メディアおよび録音機で私的録音録画補償金制度を運用する
  • 著作権法30条1項を追加し、公衆サービスからのコピーを違法化する
実は、この対処方法というのは書籍ではどれも不可能に近いそうである。コンビニのコピーの違法化、などが問題とされている。

カラオケスナック・カラオケボックスでの歌唱

演奏権とは、著作者がその音楽の著作物の演奏を独占する権利のことである。その演奏は、公衆に直接聴かせることを目的とする公の演奏に限られる。

演奏とは、音楽の著作物を無形的に再製する行為を言う。無形的再生であれば、肉声によるか、楽器によるかなど、その再製方法は問わない。例えば、イオンモール水戸内原のピアノ演奏などがこれに該当する。

演奏には、生演奏(ライブ)のほか、演奏の録音物(CDやDVDなど)の再生(再製演奏)や、電気通信設備を用いた演奏の伝達(伝達演奏)がある。

録音物の再生とは、再生された演奏を直接聴取させることを目的とした再生を言う。再生された演奏を公衆送信により聴取させる行為は除かれる。

公の演奏であれば、すべてに演奏権が及ぶ。その演奏権が及ぶのは作詞家・作曲家でありプロの楽曲のほとんどはJASRACに信託譲渡され管理されている。

カラオケ・スナックとカラオケ・ボックスでの演奏には、録音物を用いた伴奏演奏の再生演奏と客の歌唱がある。

伴奏演奏の再生演奏については、経営者が主体である。判例によると(最大判昭和63年3月15日)、カラオケ法理が確定している。無断で再生演奏をした経営者には、作曲家が演奏権の侵害を主張することができる。ビデオ・カラオケの場合、装置に映し出された映像と歌詞について、それぞれの上映権も働く。

一方、非営利・無料・無報酬の上演や演奏の場合には、著38条1項により権利が制限される。自由に自室や教室で演奏・上演ができます。

島並 良・神戸大学大学院法学研究科教授によると、「オペラのような複合的な著作物を演ずると、同時に上映権と演奏権の両者の侵害となる」。

中川達也弁護士によると、「楽器を用いないアカペラも、演奏権の対象になる」。

音楽の著作物をMDやCDなどのメデイアに録音し、それをプレーヤーを使って、公に再生することも演奏権の対象となる。したがって、営利目的の喫茶店や飲食店などが固定されてるいない音楽CDをBGMとして利用する場合は、著作権者(作曲家・作詞家)の許諾が必要になる。

ただし、お店でBGMとして最近流行している音楽をかける場合、著作権者の許諾(作曲家、作詞家)の許諾と著作隣接権者の許諾(演奏家とCD製作者)が必要になる。

一方、パブリックドメインになった楽曲をかける場合、そのCDを作った製作者とその音楽を演奏している演奏家が有する著作者隣接権が必要になります。著作権者の許諾はいりませんが著作隣接権者の許諾は必要になります。

この場合の著作権者とはJASRACに信託譲渡され管理がされているのがほとんどだ。なお、飲食店・理髪店・病院の待合室などは営利目的の場所であるが、家庭用テレビが生放送されている場合には著作権者の許諾は必要ない(中山・著作権法)。

最近は大型のテレビが普及して大型スクリーンに映し出す行為も普及し始め、著作権侵害になるか否かの解釈が狭められる傾向にある。

参考文献

渋谷達紀「知的財産法講義2・第2版」有斐閣、2007年、117-119頁。

島並 良・上野達弘・横山久芳「著作権法入門」有斐閣、2009年、138-139頁。

中山達也「図解・わかる著作権」ワークスコーポレーション、2010年、56頁。

梅原・尾込「すぐに役立つ著作権の仕組みとトラブル解決実践マニュアル」三修社、2010年、142-145頁。

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福井健策「契約の教科書」 書評

http://d.hatena.ne.jp/redips/20111126/1322239501

プレゼン用のファイルにBGMを付ける場合

BGMの音源がなんであるかにより、著作権処理の手順が異なる。

1 市販のCDを使う場合

作品の著作権、CDの著作隣接権、歌手・演奏家の隣接著作権の3つについて考えなければならない。

作品の著作権は作詞家や作曲家であるが、JASRACに信託譲渡してある場合が9割などでここに著作権があることになる。

 CDの著作隣接権と歌手・演奏家の著作隣接権は、そのCD製作者のレコード会社に問い合わせることになる。

あえて言いますがJASRACは作品の著作権(作曲家・作詞家)の著作権を管理しているだけであり、レコード製作者の著作権つまり著作隣接権、歌手などの実演家の著作隣接権までは管理していません。

参考文献

林 幸助「ちょっと待って、そのコピペ」実業之日本社、2008年、134-135頁。

「契約の教科書」の増刷が決まる

福井健策先生の新書である「契約の教科書」の増刷が決定した。福井先生のツイッターで知る。

●アマゾン電子書籍契約は妥当か無茶か 大手は反発、中小は興味示す? (1/2) : J-CASTニュース

http://www.j-cast.com/s/2011/11/01111860.html

●映画:海賊版横行 被害、年564億円 – 毎日新聞

http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20111125ddm012200173000c.html

映画の著作権侵害で影響を受ける損失額は年間564兆円。日本国際映画著作権協会の調査。「No モア 映画泥棒」の団体です。

映画の盗撮について厳しくなり2007年8月30日に施行され、「映画の盗撮の防止に関する法律」が制定される。

ネット上に盗撮された映画が、海賊版DVDの販売と無断でアップロードされる例が後を絶たないためである。以前は、著30条1項の私的使用のためと言い逃れができた。盗撮が見つかれば使用目的に関わらず著作権侵害になる。

中川達也弁護士によると、「同法は映画館などで有料上映中の映画や無料試写会で上映中の映画を、著作権者の許諾を得ずに録画または録音することを「映画の盗撮」と定義している。

そして映画の盗撮には、私的利用目的の複製が適用されず、刑事罰(10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金、またはこれらの併科)の対象となる。

ただし、このように私的目的の複製が適用されないのは、最初に日本国内の映画館などにおいて有料上映が行われた日から8か月以内の映画に限られている。」

参考文献

中川達也「図解 わかる著作権 クリエイテイブ・ビジネスの基礎知識」ワークスコーポレーション、2010年、124頁。

著作権法は親告罪なのと、アップロードされている違法動画を視聴することは違法にならない。ただし、民事で訴えられることがあります。

●米オンライン著作権侵害防止法案–反対意見に対する議員の反応 – CNET Japan

http://japan.cnet.com/news/commentary/35010683/

●IIJ、SaaS型でデジタル著作権管理システムを提供する「IIJ DRMサービス/PlayReady(R)」を提供開始

http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2011/1118.html

●IIJ、デジタル著作権をSaaS型で管理するDRMサービスを提供開始(ITmediaニュース)

「IIJは、SaaS型サービス「IIJ DRMサービス/PlayReady」を発表した。PCやスマートデバイス向けコンテンツの著作権管理を、手軽で安価に実現するという。」

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1111/18/news053.html

利用の許諾1

 著作権等管理事業者に管理委託している楽曲については、例外的に許諾義務が生じる。

1.著作者人格権が絡む利用形態

パチンコ台への録音など作家の意向に配慮すべき利用形態については、その都度作歌の同意を得て利用許諾を得る。

著作権使用料はJASRAC規定の料金が適用されるもの、指値のもの(映像付きパチンコ台への録音など)があるので後者については著作権使用料を交渉で決める。

参考文献

秀間修一「すぐに役立つ音楽著作権講座」シンコーミュージック・エンターテインメント、2010年、54頁。

明日はさらに冷え朝起きられるかどうか。身の回りには著作物が多い。

●「男の娘☆」が商標登録される 「男の娘という名称は当団体が独自に考えた。類似名称を使ったら訴える」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/21/news124.html

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1678728.html

将棋の駒の書道風文字もこれと同じで知的財産権はあると考えるが誰も商標登録をしようとしない。特許庁に登録できるということを確認済みです。実際、商標に登録可能か否かは弁理士に頼むのが一番の近道であり確実です。

それ以来、将棋の駒をはじめ盤という棋具に興味がなくなっていった。同時に将棋への関心も薄れていった。私だったら商標登録を済ませて駒師に権利を主張する。

繰り返すが、将棋の駒は機械彫りに限る。字母のある手彫りはいけない。将棋の駒・字母・盤ともに著作物ではないと考える。

●山田奨治「日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか」書評。

http://d.hatena.ne.jp/yuki_takao/20111123/1322003780

背景音楽(BGM)として利用する場合の使用料

BGMを流す行為が著作権侵害になる場合とならない場合がある。明らかにお店側でBGMを流す際に、CDを用いて公衆の前で再生すると、著作権法上はその音楽を再生したことになる。
つまり演奏権が働いたことになる。

追加

「実演家もレコード製作者も演奏権に相当する権利はなく、店内BGMとして再生する行為は演奏にあたり対象となる支分権はない」ということです(「ネイティブチルノの著作権ブログ」より引用

http://blogs.yahoo.co.jp/apple40note/6145035.html

音楽の演奏の入ったCDを再生した場合、①その音楽の作者の著作権が問題になる、②その音楽を演奏している演奏家のもつ著作隣接権が問題になる、③その音楽を録音してCDを作成した製作者の権利も問題になる。

購入したCDを自分の部屋で聴く行為は私的利用に該当するため例外である。自宅に友人を招いた際も問題がない(著30条1項)。

喫茶店およびレストランについて、通常、喫茶店に入り何かを注文することが前提となるため営利目的になる。

「福祉、医療もしくは教育機関での利用、事務所・工場等での主として従業員のみを対象とした利用又は露店等での短時間かつ軽微な利用であって、著作権法第38条第1項の規定の適用を受けない利用については、当分の間、使用料を免除する。」

http://www.jasrac.or.jp/release/01/10_3-2.html

より引用。

お店などでBGMをご利用の皆さまへ(JASRAC)
http://www.jasrac.or.jp/info/bgm/index.html

http://www.toukai.biz/quiz/quiz133.htm

http://www.champingweb.com/m/bgm_cd/

http://www.cric.or.jp/qa/sodan/sodan5_qa.html

参考文献

吉田大輔「全訂版 著作権が明解になる10章」出版ニュース社、2009年、100頁。

梅原・尾込「すぐに役立つ著作権のしくみとトラブル解決実践マニュアル」三修社、2010年、142頁、159頁。

島並・上野・横山「著作権法入門」有斐閣、2009年、139頁。

●携帯電話向け違法音楽配信サイトの運営者を告訴

「近年、不正な広告収入を得る目的で違法音楽配信サイトを開設する者が後を絶たず、違法配信の温床となっているため、JASRACは、広告関連事業者等と違法音楽配信対策及びアフィリエイト広告事業の健全化推進のための協議を継続しております。」

http://www.jasrac.or.jp/release/11/11_1.html

非営利目的の上演等(38条)

(営利を目的としない上演等)
第三十八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

著作権法38条1項が該当します。普段我々が歌唱・カラオケ(無料)など。著作権法上の著作隣接権も働かない。

まず、著作物は、それが公表されており、非営利・無料・無報酬の場合には、公に上演・演奏・上映・口述することができる(38条1項)。

非営利目的の上演等は、従来から自由に行いうるという慣行があり、また、権利者の利益を不当に害するものでもでもないと考えられるから、権利制限が設けられている。

上演等の著作物の公衆への提示行為は、社会が著作物を享受する機会を増やす点で望ましいことである。

記念式典やパレードにおける音楽の演奏、学園祭における上演や映画の上映、また、学校の授業等での音楽の演奏や絵画・写真のスライド上映(OHP)、教室における教科書の朗読、録音テープの再生などが挙げられる。


教育現場における著作物の利用は、公正利用行為とされている意義が大きい。

百貨店などがバックグラウンド・ミュージックとして音楽の著作物を再生演奏する行為は、非営利の要件を充たさない。商品宣伝活動の一環として行ったものとされ、営利性があるので本条の適用はない。水戸京成百貨店のお歳暮商戦でAKB48の曲が流されたことがこれに該当する。

例えば、企業のショールームでミニコンサートを開く場合には、無料であっても、企業の宣伝活動の一環であれば営利目的とされる。イオン水戸内原店のミニコンサートがこれに該当する。

島並教授は、「たとえ非営利・無料でも、報酬を払ってプロの演奏家に演奏させた場合には、演奏のクオリティーが高いために、その視聴が音楽CDの購入に代替する可能性が高い。」と主張されている。学園祭における柊奈緒様がこれに該当する。


参考文献

島並・上野・横山「著作権法入門」有斐閣、2009年、174頁。

吉田大輔「全訂版 著作権が明解になる10章」出版ニュース社、2009年、249頁。

渋谷達紀「知的財産法講義2第二版」有斐閣、2007年、310頁。